日本ではほとんど聞かない名称、というかまだ浸透する前なのかもしれないが(何かといえば横文字を使う風潮の点からむしろ浸透しなくてもいいが)"woke mob"という表現は英語の記事を読んでいるとまあまあ出会う機会がある。
"mob"というのは20年近く前くらいに一時期流行った"flash mob"と呼ばれる偶然を装って突然街中でダンスを始める集団パフォーマンスがあったが、この"mob"という言葉自体の意味は「暴徒、大衆、仲間、マフィア、群れ」などあまりよくない印象もある。
"woke"というのは、"wake"の過去・過去分詞形であり、"wake"の意味はわざわざここで書く必要もないが「目が覚める(目を覚まさせる)、気づく(気づかせる)、自覚する、起きている、徹夜をする、寝ずの番、航跡」等々とにかく目を見開いている状態だ。映画のタイトルでも使用された"awakening(s)"も「覚醒、目覚め、目覚めさせる」という意味がある。
と言うわけで今までの説明から察する事ができると思うが、
"woke mob"とは「目覚めた集団」
のことを指す。ただ、どうやらちょっと嫌味な意味合いでも使われているようだ。また最近よく聞く"cancel culture「キャンセルカルチャー」"の他、アメリカなどで使用されている"critical race theory(CRT)「批判的人種理論」"或いは"social discrimination 「社会的差別」 "と共に語られることが多いようである。
"critical race theory(CRT)「批判的人種理論」"というのはざっくり言うと「人種的少数派に対し優遇処置をとるべきだ」という主張らしい。この考えでいくとこれも20年近く前に聞いた「アファマーティブアクション」と似ている。
この"woke mob"という言葉は元を辿ると"Wokeness"らしいが、これも「社会的不正義、人種差別、性差別などの社会的問題を認識し解決に取り組む」ということ。これがなぜ嫌味な意味で使用される事もあるかというと簡潔に書けば「意識は高いが本質からズレている、陰謀論も多い」という事らしい。
「目覚める」という点においてはまるで映画の「マトリックス」のようだ。
つまりその社会問題に対し意識を持つ事はいい事だが、いわゆる「メディアに踊らされている」「いくら懸命に遠くに行ったつもりでも釈迦の掌で遊ばされているだけ」或いは「マイノリティだから全て可哀想な人たちという固定観念の植え付け」ということから更に差別を助長する手伝いすら無意識か意識的か分からないがやっているという事らしい。
わかり易いところで言うと、電車でほとんど乗客がいない空いている状態で高齢者等の優先席に座っているとポリコレ的にそれは高齢者の席だと非難される事だろうか。
詳しくは自分で調べた方がいいが。
参考までに関連映像をリンクしておいた。
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