- オリジナル原稿は2020年6月14日作成。
四六時中使用していれば忘れるはずもないが、たまに使用する程度だといざ書く時にいちいちスペルを調べて間違いがないか確かめないといけない。そういうのが積み重なっていくと時間の浪費になってしまうし、話の腰を折ってしまいかねない場面もあるかもしれない。
しかもramp(ræmp)とlamp(læmp)は頭文字の”R”,”L”以外は発音も全く同じ。
これを読んでいる最中にすでにどちらが「ランプ」でどちらが「タラップ」なのかわかれば全く問題ないと思う。
Lamp
lamp=「ランプ、明かり、電灯、(精神的な)光明(こうみょう)、太陽や月などの光を出す天体、ランプで明るくする、を見詰める」※Cambridge Dictionaryでは「だれかを強く殴る」という意味も書かれてある。
「殴る」という意味の”lamp”の記事を参照してみた。
I’ve got my fist clenched – it looks like I’m trying to lamp him!”
Liverpool Echo
イディオムで“smell of the lamp”=「夜通し努力し仕事をやり遂げた形跡が見える」。
以下のwiktionary参照
https://en.wiktionary.org/wiki/smell_of_the_lamp
“smell of the lamp” はそれほど引用できるほどの量がなかったが、学習がてら記録用に添付しておいた。
His stories do not smell of the lamp, of overwrought study, but of a genuine existential desperation.
The Guardian
※ちなみに、“burn the midnight oil” =「夜遅くまで働く・勉強する」という似たようなイディオムもある。
※genuine=「正真正銘の、本物の」
“lamp”は結局明かり系の「ランプ」なので”light” 繋がりで“ramp”と区別して覚えやすい。
Lamp語源
googleが提供する情報ではラテン語の”トーチ”を意味する”lampas”, “lampad” から来ており、中期英語で”lamp” として使用されているらしい。
また、他の辞書ではより詳しい事が書かれてある。
https://www.etymonline.com/word/lamp
補足
このスペルに似たようなので、“lump”がある。”lump”は「かたまり、こぶ、腫れ物」、それが”lumps”のように複数形になると「罰、批判」などを意味するのでさらに注意が必要だ。この“lump”の発音記号は(lʌmp) なのでramp(ræmp)やlamp(læmp)とは多少違う。
またこのこの“lump”は胸の病気を表現する時によく使用されている。例えば“breast lump(s)” で所謂「胸のしこり」。専門用語的には「乳房腫瘤(にゅうぼうしょうりゅう)」。同じ意味で”breast mass(es)”や”breast tumor(s)”などがあるが、医学的に全く同じ意味として使用されているかは調べてないのでいまのところ不明。そして「乳がん」の場合の名称は比較的よく知られている“breast cancer”であり「乳がん細胞」が”breast cancer cell”。
Ramp
ramp=「人工的に作られた斜道、段差の違う道路と道路を繋ぐ傾斜道(いわゆるスロープだが厳密には違う)、飛行機の乗降に利用されるタラップ(移動式階段)、車を通りやすくするために設けられた山なりになったストライプの斜道、〜に傾斜をつける、威嚇する、後ろ立ちで立ち上がる(rear up)」
このほかにも「イギリス英語(俗)詐欺、価格などを違法に吊り上げる、から騙し取る」
When the rampopening happens, it will enable drivers heading toward Rockland County to take that bridge entrance
The Hudson Independent
Trump explained that the ramp was “very long & steep”
BUSINESS INSIDER
よくみられるのが“ramp up”=「強化する」
synonym(類似語)→“reinforce“, “strengthen“, “intensify“, “buttress (up/with)”, “beef up”
※buttress=counterfort=「控え壁(壁を支えるもの)」
ramp語源
以下のサイトに色々書いているので読んでみると面白い。
https://www.etymonline.com/word/ramp
要約すると1778年頃「スロープ」の語源はフランス語の”rampe”でそもそも「上る、調整する、乗せる」などの意味を持っていた。
その他にも詳しい事が書かれている。
googleによる語源情報によると、これも古フランス語だが、”ramper”=”creep, crawl” や中期英語の“ramp” =”rear up” などが来ているらしい。
もしかしたら“rampant”=「流行する、蔓延した、後ろ足で立ち上がった、激しい、荒々しい、自由奔放な」と同じ語源かと調べたらその通りだった。
https://en.wiktionary.org/wiki/rampant#Etymology
ちなみに「スロープ」いわゆる”slope“はどちらかと言うと自然の地形・地勢いわゆる”terrain”で見られる斜面で、この人工で作られた乗降に利用される”ramp”とは違う。また、“slop”にすると「〜をこぼす」などの意味になり全く異なるので注意が必要。また発音が近い。こういう誤解を招く単語は通訳する上においては使用を避けた方がいいのではないかと個人的には思う。
この”slope“だがなぜ計算式例えば「y=mx+b」のように”m”で表すのか、それは諸説ありいまだにわからないらしい。
最後にもramp(ræmp)「ラーンプ」だが、似たようなので“romp(UK:rɒmp, US: rɑːmp)「(自動詞)ローンプ:ふざけ回る、遊び戯れる、簡単に易々と成功する」があるのでこれも注意が必要。
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